噴水心理セラピー Fountains Psychological Therapy

噴水心理研究における噴水セラピー

現代社会では、好む好まざるに関係なく、様々な悩みや問題に悩まされることが少なくありません。そのような時、悩みや問題の解消、軽減につながるような、噴水に出会うと効果的です。噴水には人が発するような言葉はありませんが、噴き出される水の音と形状や造形物の形状から人を感じることができ、それはまるで良き相談者のように私たちを癒してくれます。

噴水を人に見立てる最大のポイントは、噴水から感じられる感情と思考の表現度合です。それを表現度といいましょう。

1.思考表現度は、造形物の大きさや全体的な形と特徴、高さや動き、立地や色、年期、保存状態などを総合的に見て傾向を探っていきます。

2.感情表現度は、水の量や大きさ、太さ、高さや形、リズムやくせ、光量による明るさなどから総合的に見て傾向を探っていきます。

つまり、造形物から感じられる思考表現度と噴き出される水から感じられる感情表現度のそれぞれの程合いの評価をもとに人として見立てていきます。

基本的な考え方として、何らかの考えを訴えている傾向が強いと感じれば、思考表現度が高く、弱いと感じれば、思考表現度が低いのです。つまり、どのくらい思考的なものを表しているかということです。

一方、何らかの気持ちを訴えている傾向が強いと感じれば、感情表現度が高く、弱いと感じれば、感情表現度が低いということです。つまり、どのくらい感情的なものを表しているかということです。

このように噴水を人に見立てる視点を悩みや問題などへの心理的ケアとして利用する方法を噴水セラピーといいます。この噴水セラピーの効果を発揮させようとする時、忘れてはならないポイントが、噴水との相性です。

思考表現度や感情表現度、性格傾向などが合っている相性の良い噴水となら、癒しの効果を得て、悩みや問題への助けになるのに対し、思考表現度や感情表現度、性格傾向などの合っていない相性の悪い噴水となら、悩みや問題への助けにならないどころか、癒しの効果さえも得ることができないからです。

要は、自分に合っているか否か。噴水を人に見立てるために、噴水の思考表現度や感情表現度の評価が必要ですが、噴水セラピーを行う上で大切なのは、同時に自分自身の思考表現度と感情表現度も評価しておくことです。

たとえば、いくつもの感情の入り混じっている漠然とした感情の一つである不安を感じている場合は、思考表現度は2で、感情表現度は8の、混乱している状態であるともいえるでしょう。そのような時には、思考表現度8と感情表現度2を感じられる噴水に出会うといいでしょう。不安な気持ちを落ち着かせて冷静に考えさせてくれます。

つまり、互いの各表現度と性格傾向の理解のもと、自分自身が必要とする傾向をもった噴水であれば相性の良い可能性が高いのです。自分自身が何らかの悩みや問題を抱えているなら、自分に合わない噴水を選ぶのではなく、自分に合う噴水を選びましょう。

man and woman bathing on running water
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